みなさん、ネット恋愛って経験したことありますか？ 私は、あります。
ただし世界にSNSが氾濫するずっと前、「ニフティ・サーブ」っていうめちゃ古いインターネット・コミニティでの話ですけれど。
当時、メール文通なるものにハマっていた私は見知らぬ男子と仲良くなりました。そのうちチャットだけでは飽き足らず、どうしても会ってみたくなって、約束して待ち合わせした新宿駅・１９歳の冬。

出会い系サイトなどもなかった遙か昔のことです。

嘘みたいな話ですが、写真も見たことがなかった彼は若かりし草彅剛クン似で想像以上のイケメンでした。もちろん私は恋に落ちまして、我が恋愛至上最も非現実的なラッキー・ラブメモリーとして思い出を刻んだわけです。
振り返るとよく顔も知らない相手と会う気になったなと我ながら驚きつつ、同時に「顔を知らなかったからこそ期待せずにいられた」とも思います。
もし写真の時点でイケメンだとわかってたら？
その上、電話とメールだけで最高の相性だと感じてしまったら？
ちょっと手がつけられないくらいのめり込んでいたかも知れません。

この番組で登場するのは、SNS上でまさしくそんな運命の相手を見つけてしまった人たち。写真だけで見る容姿は最高で、メールや電話じゃ常に惜しまぬ愛を呟いてくれる理想の恋人。でもなぜか会ってくれない･･･。会おうとしてもあらゆる言い訳で断られる。
そこで彼／彼女たちは案内人・ニーヴに連絡するのです。
運命の恋人に会うために。あるいは･･･本当にそんな人が実在するのか確かめるために。

ニーヴはかつて自分もSNSで出会った理想の女性と恋に落ちた経験がある俳優。しかし、実際に会ってみるとSNSで見てた顔とはまるで違う女性がいた！
彼女はつまり、FacebookやTwitterで他人の写真を拾い、架空の人物としてSNSを利用していた「なりすまし」だったというわけ。

騙された手痛い経験を自らドキュメンタリーにしたのがきっかけで、全国の自分よ目を覚ませ！とばかりにこの番組を製作することになったもよう。

「恋人の正体を知りたい！」そんなSOSを聞きつけては、相棒のカメラマン・マークと共にアメリカ国内どこへでも出かけていきます。

実際そんなうまい話、そうそう転がってるもんじゃありません。理想の恋人たちはたいてい調べればすぐにボロが出て、似ても似つかない偽物がカメラの前に登場します。
時には男性だと思っていた恋人が女性だったりすることも。相手に愛情があればまだいいけれど、いたずらでからかっただけなんてことも多くて現実の厳しさったらもう･･･！
「ネット恋愛の落とし穴」という副題がほぼ全てを物語ってる番組です。

でも、そんな騙された愚かな人々を追うだけだと単なるいじわるな番組で終わってしまうのですが、騙し騙された関係から友情に発展することもあれば、自信が持てず自らを偽り続けていた「なりすましたち」が本当の自分を認め再出発するきっかけになることも。

また、ごくごくまれに理想の恋人が実在した！なんてこともあるので、つい目が離せない。
偽物ばかりの心霊投稿ビデオでマジな奴見つけたときみたいな興奮といいますか（そんなの嫌か？）。

みなさん、SNSで生まれた関係に過度な期待は禁物です。
でも期待するくらい良いじゃないと思うなら、この番組でその打率を確かめてみて。

※Huluにて配信中
© 2016 Viacom.

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